Communicating Astronomy with the Public 2018
世界天文コミュニケーション会議2018 in 福岡
活動記録

English | Japanese


   


関連公式サイト:
Communicating Astronomy with the Public 2018(English):
https://www.communicatingastronomy.org/cap2018/
世界天文コミュニケーション会議2018 in 福岡(日本語):
http://prc.nao.ac.jp/fukyu/cap2018/
スゴはや2プロジェクト produced by 東工大附属科学技術高校科学部:
http://www1.hst.titech.ac.jp/club/sci_club/sugo-haya2.html

日 時: 2018年3月24日(土)~25日(日)
場 所: 福岡市科学館(福岡県福岡市)
主 催: 国立天文台,福岡市,the International Astronomical Union (IAU),
参加者: 石関 康汰(機械システム分野3年),洞口 翼(1年)

内 容:

CAP2018は、天文学に関わるいろいろな仕事の方と社会とのコミュニケーションについて、アイデアや事例を紹介し、課題を共有しディスカッションする国際会議です。
天文学者だけではなくて、科学館の先生方やアマチュア天文家の皆さんも参加します。
今年は福岡で開かれ、私たち科学部は、先輩方と一緒に行っている「スゴはや2プロジェクト」を紹介するため、ポスターセッションに参加してきました.

Day 1: March 24, Saturday <一日目>

07:00 羽田空港国内線第二ターミナル集合

08:20 羽田空港発 ANA243便 10:15 福岡空港着 →運航キャンセル!?

飛行機で福岡空港に向かい、10:15には福岡に到着する予定でしたが、滑走路でのアクシデントで福岡空港閉鎖のために欠航となり、新幹線で福岡駅に向かうことになりました。

 
(左)飛ばなかった飛行機 (右)ターミナルに戻される機中(まだ余裕があった)

12:47 品川駅発 のぞみ175号
準備に余念のないところ・・・

 
長すぎた車中(準備の疲れが取れてよかったかも!?)

17:53 博多駅到着
福岡市の掲示板にあったCAP2018のお知らせ

残念でしたが、この時点で二日間の参加期間のうち、ほぼ一日分、開会行事や講演、ポスターセッション一回に参加し損ないました。
他にも同じ目にあった参加者がたくさんいて、中には、飛んでいる時に空港が閉鎖になって海外に着陸した方もいたそうです。
翌日の新聞。82便欠航で22便の到着地変更

Welcome Event: Noh, Stargazing, and Welcome Drink

18:30 - 19:00 Noh Party(能楽講演)
大濠公園能楽堂にて能楽の講演

  舞台に先生が?! スゴイ!

写真撮影をしている方も多く、会場の全員が熱心に見ていました。
「鶴亀」の一幕を全員で合唱する企画があり、自分も初めて謡いました。
あらためて自分の住む国の文化に触れる滅多にないいい機会でした。

19:00 - 20:30 Public Stargazing Party(天体観望会)
大濠公園能楽堂前にて、地域の天文団体による観望会

地元の皆さんと一緒に、望遠鏡での天体観測の他、星のお皿の折り紙工作教室やプラネタリウムの展示もありました。
ここで、開催の天文団体の皆さんにスゴはや2について聞いてもらって自信をつけました。けっこう好評でした。
 
(左) 観望会  (右) 星のお皿の折り紙

また、ちょうど国際宇宙ステーション(ISS)が通過し、100人以上の大勢でみんなで一緒に観測することができ、周りからも感動の声が上がっていました。
普段自分たちが観測しているISSが歓迎してくれたように思いました。
 
(左) ISSを見上げて応援する観望会の参加者 (右)通過する金井宇宙飛行士搭乗中のISS

20:30 - 21:30 Welcome Drink(歓迎パーティ)
大濠公園のボートハウスにて、軽食を取りながらの交流会

参加者同士、挨拶をしながら自己紹介やお互いの発表内容について歓談しました。
自分たちも、スゴはや2を配りながら自己紹介に回りました。

皆さんに話しを熱心に聴いていただけて、はやぶさ2のミッションの内容やスゴロクの作り方等、いろいろな質問をいただきました。
初めてスゴロクを見る方がどこに注目するかわかって翌日のポスターセッションの参考になりました。
到着の遅れを取り戻そうとがんばったらあまり食べてるひまがなかったのですが、初ディスカッションを楽しめました。

宿への帰り道。満開の桜

福岡市・西鉄グランドホテル 泊

Day 2: March 25, Sunday <二日目>

06:30 起床・朝食・移動・ポスター展示準備
ホテル出発(緑のキャリーバッグの中は小道具)

 

やっとポスター展示にたどり着きました!

10:15 - 10:45 Keynote 2
"Human Factors to Foster Equal Participation"
Wanda Diaz Merced博士
(Postdoctoral Researcher at the IAU Office of Astronomy for Development, Cape Town, South Africa)

天体物理学者Merced博士の講演。
私たちは、先生が盲目であるのを知って驚いたと同時に、工夫次第でなんでもできるということを知ることができました。
また、天文学には目が見えるか見えないかは、関係ないと知ることもできたので、私たちは「工夫をすることで、自分の壁を簡単に越えることができるのだ」と励まされた気持ちになりました。

10:45 - 11:55 口頭セッション見学(20分・2件)

11:25 - 11:55 Coffee Break & Poster Session(ポスターセッション)
コーヒー休憩とポスター見学とディスカッション

コーヒーを飲みながら、ポスターについてディスカッションする時間です。
自分たちもポスターでスゴはや2の説明をしました。
推定20名以上の人が自分たちのポスターを見にきて、自分たちのポスターから動けず、コーヒーを飲んでいる時間はありませんでした。
興味を持ってくれて、楽しんでくれてうれしかったです。

私たちが受けた質問は以下の通り。

 *どうやってつくったのか
 *製作期間はどれくらいか
 *なぜスゴロクで表現したのか
 *教育に使うことができるのか
 *はやぶさ2のミッションについて

などの質問を受けました。
内容よりも、製作に関する質問が多く、実際に製作してみようと思ってくれたのではないかと私たちは考えています。
前夜のWelcome Drinkでの会話がたいへん役立ちました。


※イラストレーション処理した写真を使用

11:55 - 12:25 Keynote 3
"Dark Side of the Universe for Everybody"
Hitoshi Murayama博士
(Director Kavli IPMU, University of Tokyo)

東大カブリIPMUの村山斉先生の講演。
レシーバーを借り損なって、完全には聞き取れませんでしたが、嬉しい発見があった講演でした。
暗黒物質やダークエネルギーを例にして、先進的なため一般にはわかりにくい科学を一般の人にわかりやすく伝えるための方法や、「例え」を使う時に注意すべきことについて示すものでした。

わかりやすく伝えるための方法やツールに備えるべき性質として、次をあげていました。

 *エンターテインメント性がある
 *家に持って帰ることができる
 *自分で学べる

これらは「スゴはや2」も備えている性質です!

そして、もう一つ重要なメッセージは、「説明のために用いる比喩(Metaphor)が科学的な正確さを損ねてはならない」ということでした。
村山先生が話したこのことは、自分たちがスゴはや2を作る時にこだわっていた点でした!
自分たちも缶サットを作っていますが、もし他の人から自分たちの缶サットについて科学技術的にいい加減に話されたらイヤです。
それは、はやぶさ2プロジェクトの先生方も同じに違いないと思いました。
だから、スゴロクという遊び道具であっても、可能な限り科学的、技術的に正確に作りました。

村山先生の考えと一致していたので、私たちは、村山先生がスゴはや2を認めてくれたように思い、とても嬉しかったです。
「プレゼン会場の最後列にあなたの言っていることを実践している人がいますよ!」と大声で言いたかったです。
先生にもスゴはや2をみてもらえたらと思いましたが、先生は大人気で忙しく、スゴはや2を渡すことができず残念でした。

12:25 - 13:05 口頭セッション見学(20分・2件)

13:05 Group Photo(記念写真)
全員で集合写真を撮った。広いサイエンスホールいっぱいの参加者の集合写真は、Twitterにすぐに出ました。
自分たちはいちばん後ろの右端で、たぶん見分けがつきません。

13:15 - 14:15 Lunch(昼食)
鹿児島大学の半田先生と一緒に食事に行きました。
自分たちの缶サットについて、アドバイスをいただいてとても勉強になりました。

14:15 - 15:45 Parallel Sessions(分科会)
同時進行で4つの口頭セッションが進行。
自分たちは、
Best Practices in Outreach Using Entertainment to communicate science; When science meets art
に参加しました。

15:45 - 16:15 Coffee Break & Poster Session(ポスターセッション)
この回になってやっとはやぶさ2のペーパークラフト帽子をかぶってポスターの前に立てました。


目立ったためか、今回も大勢の方に見にきていただいて、お土産に用意したスゴはや2のシートを受け取っていただきました。喜んでもらえてよかったです。
Welcome Drinkで知り合った方が来てくれて嬉しかったです。
天文をゲームで勉強する方法の研究をしている大学院生の方がとても興味を持ち、褒めてくれました。
はやぶさの映画に出たスノードームを作った方や、はやぶさ2のTシャツを着ている方が来てくれて、スゴはや2にも興味があると言ってくれました。
来てくれた皆さんが、はやぶさ2は面白いという私たちの気持ちを共有してくれたことが嬉しかったです。



※イラストレーション処理した写真を使用

帰る時間の都合で、次のParallel Sessionsに出ないで片づけて帰る準備をしました。
ポスターは翌日までそのまま貼っておけるので、次の日から来るメンバーの梅澤さんに引き継ぎました。


17:00 福岡市科学館出発


19:45 福岡空港出発 ANA270便
ちゃんと飛んでありがたかった

21:25 羽田空港到着・解散


まとめ:

私たちは、はやぶさ2を題材としたスゴロク「スゴはや2」で、ゲームで はやぶさ2の旅を体験し、スゴロクの手法や難度でその科学的・技術的すごさを体感してもらうことを目指しています。
今回、その面白さを共有したいと思い、CAP2018に参加しました。
半年ほどの制作期間を経て、今回が本格的なスゴはや2の公開となりました。

持っていったポスターには、スゴはや2がどんなものかわかるように、スゴロクのスペースを大きく取りました。

 → 日本語版
画像をクリックすると,大きい画像(PDF)が見られます


画像をクリックすると,窓の中に書いてあることが見られます

実は仕掛けがあって、ポスターの一部が窓になっていて、めくるとスゴはや2の次の三つの特徴について、見ていただきながらお話しできるようになっています。

・はやぶさ2の時系列の記録になるように作っていること
・遊び道具でも科学技術的になるべく正確であるようにしていること
・はやぶさ2の科学的意義や技術的難易度をスゴロク手法で体感できるようにしていること

この「めくる」窓の加工もよかったのではないかと思っています。
 

 

ただの珍しい遊び道具ではなくて、科学技術を伝えるものとしての挑戦をわかっていただけたら嬉しいです。

ほとんどの海外からの参加者の方がスゴロクというゲーム自体を知りませんでした。
ありがたいことに私たちのプレゼンテーションを聞いて、スゴロクをみて「面白い」と言ってもらえました。
そこで、一緒にスゴはや2を一部だけプレイしてもらったところ、「これはいいアイデアだね」「つくってみたい」と、関心を持ってくれました。持ち帰るためのお土産のスゴロクを渡せてよかったです。

皆さんと話しているうちに、他の国の人から見たスゴロクの印象の違いを知ることができ、おもしろい意見交換ができました。
そして、スゴはや2が、ただのゲームではなく、科学的意義を持つものだと理解してもらえたと思っています。
このCAP2018での経験を通して,多くの人と共有したいと思っていたことを伝えることができて、自信を持つことができました。

会場の雰囲気は想像していたよりも固いものではなく、フレンドリーな人も多かったので、個人的にもリラックスして楽しむことができました。
参加者の多くは、自分の意見をしっかり述べていて,今回の経験で、私たちはまず自分の意見を主張することを学ばねば,とわかりました。

Twitterでスゴはや2の紹介をして下さっていて驚きました。
Thomasktfokさん、チヌーク@来世は重機さん、Aviさん、Elizabeth Taskerさん、ありがとうございました。
Thomasktfokさんには、珍しい中国星座の早見盤をいただきました。
科学部にすごく嬉しいお土産になりました!

残念だったのは、ポスターセッションの会期が二つに分かれていて、都合で自分たちは前半だったことです。
はやぶさ2プロジェクトの吉川先生が参加されたのは後半だったので、本当は私たちも一緒に後半で展示できたらよかったのに、と思いました。
吉川先生の発表の時には、私たちのポスターの掲示期間も終わった後で、完全にすれ違ってしまってとても残念でした。

半年の制作期間の間、スゴはや2の製作や大人の人と一緒のプロジェクトの運営、英語での発表について、たくさんの先生方、皆様に支えていただきました。

 
出発の前日、準備を支えてくれた部員と

スゴはや2プロジェクトを始めて、はやぶさ2プロジェクトの先生方には、忙しい中親身に接していただいて、いろいろ教えていただきました。
自分たちは応援のつもりですが、本当は見守ってもらっていると思います。
スゴはや2は、学校を飛びだして、一般の人に楽しんでもらいたいと思って始めたことです。
専門家の方や大人の方が集まるCAP2018でいろいろな意見を伺えたのはとても大きな収穫でした。
CAP2018で出会った先生方、皆さんの暖かい対応のおかげで、このようなスゴイ会議で充実した時間を過ごすことができました。
トラブルがありながら、無事に国際会議での発表をやり遂げることができたのも、CAP2018の運営の先生方やスタッフの皆さんにいろいろ教えていただき、暖かなサポートをいただいたおかげです。

ここまで、いろいろなことで大勢の皆さんからご支援を頂きました.
これからも皆さんの協力にこたえられるよう、スゴはや2プロジェクトに努めていきます。
本当にありがとうございました。


はやぶさ2が順調な旅を続け、嬉しい成果を持ち帰ってきてくれますように!

参 考:

・「スゴはや2プロジェクト」は、「2017年度東京工業大学基金事業-ものつくり人材の裾野拡大支援」の後援を受けて、実施しました。
・CAP2018公式Twitter https://twitter.com/CAP2018Fukuoka
「天文コミュニケーションの現在、そして未来に望むもの」田添 玖美 月刊「星ナビ」2018年6月号(p.54-55)
・顧問による報告:NEWS LETTER 2018年3月号(東工大附属科学技術高校ホームページ)


記 録:洞口 翼・石関 康汰


東京工業大学附属科学技術高等学校 科学部
更新:2018年9月22日